お前なんで音楽やってんだよ

音楽の話をします。

 

まずピアノで考えてみましょう。独学でピアノを練習してる人の話は今回は扱いませんごめんなさい。習いに行った場合の話をします。

ピアノを習いに行くと、発表会、ってものがあるのではないでしょうか。出る出ないは先生と相談して決めたりすると思いますが。この発表会というものに対する姿勢として

1 もう本当に嫌だやめたい…練習不足だし弾けない

2 どうしよう…練習不足だしミスもするだろうけどがんばるか…

3 この日を待ってた!今年n回目の発表会だし、順調にキャリア積めてるって言えるよね

4 この日を待ってた!この曲すごく好きだしお客さんに口ずさんで帰ってもらいたいな

 

ってな感じではないでしょうか。小学生くらいだと、たいていの人は1とか2あたりじゃないですかね。家でピアノをひとりで弾いたりするのはは好きだけど緊張しちゃったり、普段から嫌々ピアノ教室に通ってるから発表会なんてもってのほかだけど拒絶するほどの勇気はなかったり。3はなんか大人の世界の香りがするからあんまりいい喩えではなかったかも。

この中だと一番幸せなのは4に見えます。まあ3も本人的には幸せか。

 

ピアノの話でしたが、ここからは音楽全般の話。

プロでもアマでも、CDを出したり、合同ライブに参加したり単独でライブを敢行したりする、というところまで来ると、ピアノの発表会の話における1や2のケースの人は少なそう。というかそういう人は逆になんで対外発表しようとするんでしょう。まあ、普段は楽しくやっているけど、マネージャーや他メンバーに引きずられてしょうがなく/所属団体の定期発表会があるからしょうがなく、って感じですかね。とりあえずつらそう。

 

3の人。

なんか3の人多くないですか。自分の周りだけかもしれないですけど。

ピアノの喩えにおいて、3は不自然に映るじゃないですか。なのに、音楽一般の話になると不自然には感じないのでしょうか。それとも不自然に感じるのは自分だけですかね。社会不適合者つらい。

この人たちは、認知されたい、有名になりたい、自分の地位を上げたい、という欲求が根底にあって、そのために音楽を利用している、というように自分には見えます。あるいは目に見える成果がほしい、たとえば1か月でこの問題集3周解いた、1か月で5キロ痩せた、1か月でライバル社員の1.5倍の件数の契約を取り付けた、とか、その類のものに見えます。

 

 

 

やっぱ4みたいでありたくない?

 

音楽って、

まず、自分が好きな音楽(この歌詞いいんだよな、ここのリズム好き、メロディーのこの流れがたまらんetc)ってのがあって、

次に、それを自分の中だけにとどめておくのはもったいない、誰かにもこの素晴らしさを分かってもらいたい、と感じるようになって、

そんでもって家族とか友人に聴いてもらったりして、

そして、そして、その延長に、発表会とかライブがあって、ちょっと背伸びしてCD出しちゃったりなんかして、

ってものじゃないでしょうか。

だから、その自分の好きな音楽の好きなところを他の誰かに分かってもらうことが大事であって、そのためにはミスが少ないほうがもちろんいいでしょう。でも、極端な話、その音楽のエモエモポイントが伝われば、些細なミスはどうでもいいのではないでしょうか。ミスったかどうかより、伝わったかどうか、みたいな。普段の練習も、定期的に触れて勘を鈍らせないためということもあるでしょうけど、やっぱ、エモエモポイントを磨くため、のものだと思います。

だから、とりあえずCD出したいとかライブ出たい、ってのは、順番が逆。少なくとも4でありたい人にとっては。あと、定期発表会への強制参加みたいなのも、その観点からするとアウトに見えます。伝わるかどうかが問題となっている場合、ミスというものは優先順位が下がるので、「場慣れのよい機会だから」、というのは4の立場からすると3の人の言い訳に聞こえます。3の人にとって、ミスをするということは自分の評価を下げることになりますからね。

 

音楽って楽しいからやってるし、それをいろんな人と共有したいから人前で音楽やるんだと、そう思ってます。楽しくないなら、無理してやる必要ないでしょ。

 

以上、自戒をこめて。ちなみに、自分の記憶だと、中田ヤスタカとか野田洋次郎は確か4みたいなスタンスです。最近capsuleのレトロメモリーって曲がアツい。中田ヤスタカは天才。